ガイドラインとは
ガイドラインは、
『科学的に確かめられた最良の治療などが書かれた資料』
です。
この記事ではガイドラインをもとにして説明します。
行動療法のはじまりとして
まず自分が痩せられない原因や、痩せることを邪魔するものなど、
問題点を挙げてみましょう。
そして、それを見つめ直すことからはじめます。
以下に、行動療法の流れを示します。
![](https://www.hajimari-body.com/wp-content/uploads/2020/11/スクリーンショット-2020-11-28-16.55.22-1024x608.png)
「体重や食事内容についての記録」は、「問題行動の抽出」に有効です。
問題行動が抽出できたら、
その記録に基づいて「生活習慣や食行動を修正」し、
「適切な行動の実施」につなげます(問題行動の修復)。
例えば、
ストレスなどの心理的問題点への対処
身の回りに常にお菓子がある、雑誌で食べ物の記事を読む、など過食を誘発する刺激の回避
がその手段になります。
さらに重要なことが、
その修復された「習慣が継続」されること(適正行動の持続)、
そして、その継続を通して「誤った認識が修正」されること(問題点の改善・克服)です。
これらは、リバウンド防止にとても役立ちます。
そのためには、高いモチベーションとその維持が必要ですが、
ここで一定の報酬(自分の利益)が重要になります(治療成果(報酬)による減量意欲強化)。
体重減少に加えて、
見た目の変化
血圧、血糖値の変化
また、家族や知人からの褒め言葉も心理社会的な報酬になります。
これらの報酬によって、適正行動の内容がさらに強化され、
さらなる継続に繋がります。
このような過程を繰り返すことで、
どんどん減量、ダイエットを進めることができます。
具体的な治療法
行動療法では、
具体的な治療として、ガイドラインに3つの方法が示されています。
- 食行動質問紙表
- グラフ化体重日記
- 30回咀嚼法
食行動質問紙表は以下になります。
![](https://www.hajimari-body.com/wp-content/uploads/2020/11/スクリーンショット-2020-11-29-10.32.40-972x1024.jpg)
(大隈ら, 日本臨床, 2003)
55問とちょっと多いですが、
その質問内容は、肥満症患者さんが実際に発した言葉や感想をまとめて作成したものです。
とっても現実的かつ具体的な内容です。
この質問に対して、すぐ行動を変えようとするのではなく、
質問に答える過程で「言われてみれば、確かにそうだ!」と自身が食行動の問題点に気づくことが重要です。
グラフ化体重日記
自身で測定した体重変動をグラフ化したものです。
手帳などに記載してもいいですし、今はアプリも豊富です。
継続して記入することが重要ですので、
「手帳・アプリを開く→記入する」ことが自分の負担にならないものを選んでください。
いろんな付加要素がついているものがありますが、
逆に面倒になってしまうことが多いです。
継続するために、なるべくシンプルなものを選ぶのがいいと思います。
SmartDietはいらない情報の入力がないので、めんどくさがりでも続けられると思います。
手書きの記録の方法としてほぼ日手帳さんのHPに多くの方の例が載っています。
体重測定は、
起床直後・朝食直後・夕食直後・就寝直前
をガイドラインでは推奨していますが、
まずは起床直後を測定とするのがいいと思います。
トイレに行った後かどうかで、体重は結構な差が出ます。
そこで一喜一憂しないように、「トイレの後に測る」ことをお勧めします。
そして大切なのが、1週間ごとで体重の変化をみてください。
1日ごとではありません。
前日との変化は痩せたかどうかを示すものではなく、生活の変化を表しています。
いっぱい食べれば次の日の体重は増えますが、太ったこととイコールではありません。
断食すれば体重は減りますが、健康的な変化ではないです。
継続は無理です。
ですので、
体重が増えたか、あるいは減ったかを考える基準として、
1週間の体重変化でみてください。
30回咀嚼法
小さい頃お母さんに
「よく噛んで食べなさい!」って怒られたことありませんか?
私はいつも言われていました笑
30回咀嚼法は厳しく、29回でも31回でもダメ。
一度30回と決めたら、その回数を変えず、単純化した作業として行う方法です。
食事が作業になってしまうのはちょっと残念ですが、
自分が食事において何を優先させるか(美味しく食べることなのか、時間がなく速く食べることなのか、痩せるためなのか)を考えて実践してください。
よく噛んで食べることの良さは、科学的にも認められています
早食いの是正のみならず、本来食から得られる歯ごたえや味覚の回復、満腹感覚の改善を介した食事量の減少 (Li J, et al. 2011)
食べる速さが遅い人の方が、速い人よりもメタボリックシンドロームの割合が少ない (Nagahama S, et al. 2014)
時間が限られる生活の中でも、
ゆっくり噛んで食べる余裕を作りましょう。
おわりに
ダイエットならびに肥満症の治療は、食欲の制御と直結するため、
理屈で説得しても効果が出ないことがあります。
まずは上記3つの方法を1つでも実践し、
行動を『ちょっと』変えてみませんか。