ガイドラインとは
ガイドラインは、
『科学的に確かめられた最良の治療などが書かれた資料』
です。
この記事ではガイドラインをもとにして説明します。
食事療法とは
食事療法は、
食事の『量』や『バランス』を調整する治療です。
肥満診療ガイドラインにおいて食事療法の目標は、
減量のための摂取カロリーは
25kcal × 自分の身長の標準体重(kg) 以下
これに抑えることです。
実際の目標摂取カロリーについては、この後お伝えしますね。
治療の目的
食事療法も含め、肥満症の治療の目的は
脂肪量(とくに内臓脂肪)を減少させ、健康障害を改善すること
です。
高血圧や脂質異常症などの健康障害を改善するためには、
肥満の改善=脂肪量を減らすことが有効になります。
スタイルをよくする、といったようなダイエットとは
目的が少しずれるところもありますが、
肥満の改善のための行動として、行うべき基本は同じです。
摂取エネルギーを減らす
身体の脂肪量を減らすためには、
食べる量=摂取エネルギーを減らすことが必要!
であることは、みなさん知っての通りです。
では、どのくらいに減らせばいいのでしょうか?
ガイドラインでは基準として
25kcal × 標準体重(kg) 以下
と設定しています。(標準体重=22×身長(m)×身長(m)です)
例えば身長160cm(1.6m)の人であれば、
今の体重がいくらであったとしても、
目標摂取エネルギー量は
25×22×1.6×1.6=1408kcal以下 となります。
以下の表を参考にして、
自分の身長に近いところの目標摂取エネルギーを意識してみてください。
身長 | 目標摂取エネルギー |
150cm | 1238kcal |
160cm | 1408kcal |
170cm | 1590kcal |
180cm | 1782kcal |
栄養のバランス
ガイドラインでは、摂取エネルギーのうちわけの推奨として、
糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの):50〜60%
タンパク質:15〜20%
脂質:20〜25%
と設定しています。
最近は、糖質制限が有効とする報告も多く、
短期間では糖質を40%まで制限することも可、としています。
短時間とする理由は、
10年以上の糖質制限食が死亡率を増加させる
という報告もあるためです。(Trichopoulou A, Lagiou P, Noto H)
現時点では、
糖質制限は6ヵ月以上実施することの有用性は未確立
としています。
ただし、この中でも
- 必須アミノ酸を含むタンパク質
- ビタミン、ミネラル、微量元素
については積極的な摂取を推奨しており、
そのような食事内容をフォーミュラ食と呼びます。
栄養素として偏りのない食事が大切ということですね。
おわりに
ガイドラインの目標は、健康的に脂肪量を減らすことです。
ダイエットに励みたい人も、基本的な知識として利用すれば、
一時的ではない、本当に目指したいダイエットができると思います。
まずは自分に適した目標摂取エネルギー量を覚えましょう。
運動療法や行動療法についても、一緒に読んでみてください!
![](https://www.hajimari-body.com/wp-content/uploads/2020/10/siora-photography-cixohzDpNIo-unsplash-320x180.jpg)
![](https://www.hajimari-body.com/wp-content/uploads/2020/10/siora-photography-cixohzDpNIo-unsplash-320x180.jpg)