ガイドラインとは
ガイドラインは、
『科学的に確かめられた最良の治療などが書かれた資料』
です。
この記事ではガイドラインをもとにして説明します。
メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドローム、通称「メタボ」は、テレビやウェブなどで聞いたことがある言葉と思います。
メタボリックシンドロームは、
内臓脂肪蓄積が中心的な役割を果たし、
高血糖や脂質代謝異常、血圧高値などの
心血管疾患の危険因子が重積した状態
このように定義されています。
皮下脂肪だけではなく、内臓脂肪が増えることが問題となるため、
「内臓脂肪症候群」とも呼ばれます。
メタボリックシンドロームの診断基準は、以下になります。
![](https://www.hajimari-body.com/wp-content/uploads/2020/10/metabo.png)
食べ過ぎや、栄養の偏った食事、そして運動不足が原因となり、
内臓脂肪が体に貯まります。
そして、それが脂質異常や高血圧、高血糖につながります。
肥満症とメタボの違い
「肥満症」と、「メタボリックシンドローム」は似ていますが、
実は、違います。
メタボリックシンドロームは、
BMIが低くても(見た目はぱっと見でやせていても)、
内臓脂肪が蓄積していることがあります。
「やせメタボ」
と言われる状態があり、代謝異常による健康障害が起こります。
内臓脂肪の蓄積を調べるために、正確にはCTやMRIなどの画像検査が必要です。
でも、みんながみんな心配だからといって、
病院で検査を受けるわけはいきません。
(お金も、時間もかかるし、CTは放射線被曝というリスクもあります)
そこでスクリーニング検査(簡易検査)として、ウエスト周囲長が測定され、
男性≧85cm、女性≧90cm
が、日本では基準として用いられます。
メタボリックシンドロームが怖い理由
メタボリックシンドロームは、
特に脳卒中(脳梗塞や脳出血)や心臓病(心筋梗塞や狭心症)のリスクになります。
メタボの人は、そうでない人の約2倍、心筋梗塞や狭心症を発症しやすいそうです。(Mottillo S, et al. 2010)
メタボそのものは、自覚症状がないため、
危機感を感じにくいのがやっかいなところです。
でも、何か病気になり、発症してから後悔する人は多いです。
発症をどう防ぐか、予防として自分の体を大切にする行動が必要になります。
若年者のメタボ
「自分は若いから、メタボは関係ない」と思っていませんか?
「メタボリックシンドロームが強く疑われる人」、ならびにその「予備軍」の割合は
男性では30歳代から、女性は40歳代から加齢に伴い増加します。
なので、できるだけ早い年代からの予防が重要です。
平成20年度からは「特定健康診査(特定健診)」が行われ、特定保健指導が行われています。
その特定保健指導を導入した結果として、約1年で
- 体重が平均2kg減った
- ウエスト周囲長が男性2.2cm、女性3.1cm減った
- 血糖、脂質異常症、血圧が改善
- メタボリックシンドロームはほぼ半減
という結果が出ました。
結果はとても有効だったようです。
若い世代から意識して、予防・治療することができれば、
心血管・脳血管障害リスクも減少できる可能性が十分にありますね。
メタボの目標
メタボの人が、メタボを脱却するための目標として、
現在の体重から3〜6ヵ月で3%減少
が提案されています。
「無理をして月に10kgダイエット」なんてしてしまうと、必ずリバウンドをきたします。
例えば60kgの人であれば、半年で1.8kg減らしましょう。
どうです?
このくらいなら、出来そうじゃないですか?
おわりに
メタボから脱却して、健康的な身体を手に入れましょう。
ほんのちょっとの習慣の変化があれば、あなたの身体は必ず変えられます。