肥満症診療ガイドライン

肥満症診療ガイドラインから考えるダイエット② 〜メタボリックシンドローム 〜

雪丸くん
雪丸くん
メタボリックシンドローム、通称メタボって聞いたことあるかな?
にゃんちゃん
にゃんちゃん
もちろんあるよ!パパが会社でメタボだって言われてショックを受けてたよ。かなり気にしてたなぁ

ガイドラインとは

ガイドラインは、

『科学的に確かめられた最良の治療などが書かれた資料』

です。

この記事ではガイドラインをもとにして説明します。

メタボリックシンドロームとは

メタボリックシンドローム、通称「メタボ」は、テレビやウェブなどで聞いたことがある言葉と思います。

メタボリックシンドロームは、

メタボリックシンドローム

内臓脂肪蓄積が中心的な役割を果たし、

高血糖や脂質代謝異常、血圧高値などの

心血管疾患の危険因子が重積した状態

このように定義されています。

皮下脂肪だけではなく、内臓脂肪が増えることが問題となるため、

「内臓脂肪症候群」とも呼ばれます。

メタボリックシンドロームの診断基準は、以下になります。

食べ過ぎや、栄養の偏った食事、そして運動不足が原因となり、

内臓脂肪が体に貯まります。

そして、それが脂質異常や高血圧、高血糖につながります。

肥満症とメタボの違い

「肥満症」と、「メタボリックシンドローム」は似ていますが、

実は、違います。

メタボリックシンドロームは、

BMIが低くても(見た目はぱっと見でやせていても)、

内臓脂肪が蓄積していることがあります。

「やせメタボ」

と言われる状態があり、代謝異常による健康障害が起こります。

内臓脂肪の蓄積を調べるために、正確にはCTやMRIなどの画像検査が必要です。

でも、みんながみんな心配だからといって、

病院で検査を受けるわけはいきません。

(お金も、時間もかかるし、CTは放射線被曝というリスクもあります)

そこでスクリーニング検査(簡易検査)として、ウエスト周囲長が測定され、

男性≧85cm、女性≧90cm

が、日本では基準として用いられます。

メタボリックシンドロームが怖い理由

メタボリックシンドロームは、

特に脳卒中(脳梗塞や脳出血)や心臓病(心筋梗塞や狭心症)のリスクになります。

メタボの人は、そうでない人の約2倍、心筋梗塞や狭心症を発症しやすいそうです。(Mottillo S, et al. 2010

メタボそのものは、自覚症状がないため、

危機感を感じにくいのがやっかいなところです。

でも、何か病気になり、発症してから後悔する人は多いです。

発症をどう防ぐか、予防として自分の体を大切にする行動が必要になります。

若年者のメタボ

「自分は若いから、メタボは関係ない」と思っていませんか?

「メタボリックシンドロームが強く疑われる人」、ならびにその「予備軍」の割合は

男性では30歳代から、女性は40歳代から加齢に伴い増加します。

なので、できるだけ早い年代からの予防が重要です。

平成20年度からは「特定健康診査(特定健診)」が行われ、特定保健指導が行われています。

その特定保健指導を導入した結果として、約1年で

  • 体重が平均2kg減った
  • ウエスト周囲長が男性2.2cm、女性3.1cm減った
  • 血糖、脂質異常症、血圧が改善
  • メタボリックシンドロームはほぼ半減

という結果が出ました。

結果はとても有効だったようです。

若い世代から意識して、予防・治療することができれば、

心血管・脳血管障害リスクも減少できる可能性が十分にありますね。

メタボの目標

メタボの人が、メタボを脱却するための目標として、

治療目標

現在の体重から3〜6ヵ月で3%減少

が提案されています。

「無理をして月に10kgダイエット」なんてしてしまうと、必ずリバウンドをきたします。

例えば60kgの人であれば、半年で1.8kg減らしましょう。

どうです?

このくらいなら、出来そうじゃないですか?

おわりに

メタボから脱却して、健康的な身体を手に入れましょう。

ほんのちょっとの習慣の変化があれば、あなたの身体は必ず変えられます。