心拍数を測ってみましょう!
あなたのいつもの(ゆっくりしている時の)心拍数はどのくらいですか?
健常成人の安静時心拍数は50〜70bpm(beats per minute / 1分間の拍動数)です。
健常な人でも、呼吸や環境の変化、気分などにより多少変動します。
安静時に早すぎたり、遅すぎたりすると身体の異常を知らせるサインになります。
スポーツ選手では、安静時心拍数が40bpm以下の方もいますが、
これはスポーツ心臓と表現され、病気ではありません。
1回の心臓の拍動で、多くの血液を全身に回すことが出来ているからです。
心拍数の測り方ですが、今は心拍数(脈拍数)を計測できる機器が容易に入手できます。
しかし、機器がなくても、自分で脈拍を計測することもできます。
脈拍が体の表面から測定できる動脈は
- 橈骨動脈
- 総頚動脈
- 大腿動脈
- 浅側頭動脈
- 上腕動脈
- 尺骨動脈
- 膝窩動脈
- 足背動脈
があります。
特に、手関節掌側の親指側にある橈骨動脈か前頚部にある総頚動脈での計測が、
運動時の測定に実用的です。
実際に、今の脈拍数を測ってみてください。
1分間に何回拍動していますか?
ただ、1分間測るのはちょっと長いですよね。
そこで15秒計測して、その数を4倍する方法が簡易的に用いられます。
(例:15秒で20回→20×4=約80bpm)
自分の安静時心拍数がどのくらいなのか、時々計測してみてください。
心拍数と脈拍数はちょっと違う
“心拍数”とは、心臓が1分間に拍動する回数です。
![](https://www.hajimari-body.com/wp-content/uploads/2021/01/heart-3501018_1920-1024x486.jpg)
一方“脈拍数”とは、からだの各部位の血管が1分間に拍動する回数です。
不整脈がない人の場合、心臓の拍動1回分はからだの隅々に“脈拍”として伝わるため、
“心拍数=脈拍数” になります。
これに対して、不整脈が生じた場合は、
その瞬間の心臓の拍動が末梢の血管に1対1で伝わるとは限りません。
末梢で感じる“脈拍”が跳んだり、休んだりするように感じられることがあります。
従って、不整脈の場合は必ずしも心拍数と脈拍数はイコールになりません。
不整脈がなければ、
心拍数=脈拍数になりますので、ほとんどの人は同じものと捉えてもらって構いません。
カルボーネン法
さて、安静時心拍数を計測したところで、
安静時心拍数を自分の身体作りに活用してみましょう。
運動をした時、自分の身体がどのくらい負荷を感じているかを示す指標が運動強度です。
心拍数を運動強度として活用する方法として、
Karvonen Fomula (カルボーネン法)
があります。
自分が目指したい運動目標(心肺機能を高めたいのか、痩せたいのか、など)に応じて、目標心拍数を設定します。
![](https://www.hajimari-body.com/wp-content/uploads/2021/01/図1.png)
おおまかに
最大運動パフォーマンスを向上させる場合は運動強度の80-100%
ダイエットが目的であれば運動強度の50-70%
を目指しましょう。
運動強度が決まれば、そこから目標心拍数を計算します。
目標心拍数=運動強度×(最大心拍数-安静時心拍数)+安静時心拍数
最大心拍数は下記の式で計算します。
年齢から推測する最大心拍数=220-年齢
例として30歳、安静時心拍数60bpm、目標がダイエットなのであれば
(0.5〜0.7)×(190-60)+ 60 =125〜151
心拍数125〜151bpmを目標設定してその運動を行うのが有効です。
実際運動してみるとわかりますが、
心拍数150まで上げようとすると、結構頑張らなければ上がりません。
いっぱい歩いているけどなかなか痩せない人は運動強度が足りないかもしれません。
安静時心拍数 | |
最大心拍数 | |
脂肪燃焼心拍数 | 〜 |
心肺機能強化心拍数 | 〜 |
上にあります、4つの自分の心拍数を計算して、いつもの運動に活用してみてください。
いつもの運動を、より質の高い運動に変えることができます。
おわりに
脈拍は、簡易的に自分の身体の状況を数値化できます。
体調が悪い日は脈拍も安定しないので、それは身体が無理をするなというサインです。
自分の身体を理解しながら、ぜひ継続できる、そして効果的な運動を目指してください。