運動

フルマラソンを完走するための補給 【水分・糖・電解質】

にゃんちゃん
にゃんちゃん
マラソンのときは、どんなものを飲んだり食べたりするのがいいのかな?取りすぎも良くないんだろうけど、考えれば考えるほどわからなくなっちゃって。
雪丸くん
雪丸くん
ハーフマラソン以上の距離を走る場合は、完走するため補給がとても重要だよね。大切なところをおさえて、レースに備えよう!





補給で最も大切な水分

一定時間以上の運動をする際に、最も必要になる栄養が

『水分』です。

例えば、水分が不足(脱水)になるとパフォーマンスが低下します。

程度には差がありますが、アメリカスポーツ医学会(ACSM)は、

脱水が体重の2%を超えないように推奨しています。(Thomas DT. J Acad Nutr Diet. 2016

運動中の発汗速度は、人によって大きく異なりますし、

気象条件(晴れ or 曇り、暑い or 寒い、など)や、

その条件に対する順化(慣れ)のレベル、

実際のランニングの強度(速さ・長さ)などに左右されます。

比較的暑い日に走ると、1時間あたり1.4〜1.8kgの水を失うこともあります。

例えば、体重60kgのランナーだと、1時間で2%以上の水を失うことになり、パフォーマンスが低下します。

さらに、後半になると、水分を摂ったとしても全て体内に吸収されているわけではないので、

パフォーマンスの低下は、顕著に現れてきます。

この体重2%を超える脱水を回避できるかどうかが、給水の要点です。

フルマラソンを完走するための給水

ここからは、フルマラソンを完走を目標とする人を対象にしていきます。

まず、1点確認です。

トレーニングやレースの際の補給ももちろん大切ですが、

日常生活で水分摂取は足りてますか?

運動をしていない場合でも、1日約1.5Lの水分が必要とされていますが、

意識しなければなかなか難しいですよね。

カラダは水でできている人にとって大切な水について初心者向けに基礎知識を解説しています。1日の目標摂取量や水道水とミネラルウォーターの違いなどを紹介しています。水についての基本を知りたい方向けの記事です。...

日常の水分摂取が不足していると、いざ本番の際にもうまく水分が体内に吸収することができません。

まず日々のトレーニングの一環として、水分を摂取する習慣をつけましょう。

では、レース当日、何を飲むべきでしょうか。

好みなどもあるとは思いますが、

基本は、水とナトリウムを含んだ糖質補充ドリンク(いわゆるスポーツドリンク)が推奨されます。

糖質を6〜8%含んだドリンクは、吸収が速く、すぐにエネルギーになります。

運動時間が1時間を超えるような場合には、ドリンクに含まれる糖質がパフォーマンスの支えになります。

暑い日であれば、水分量を増やす必要があるため、糖質4〜6%がオススメです。

具体例ですと

  • ポカリスエット 糖質6.7%
  • アクエリアス 糖質4.6%
  • アミノバイタルゴールド2000ドリンク 糖質2.8%
  • ヴァームウォーター 糖質0.74%

になっています。

糖質が多いと、濃くて飲みにくいなど好みもあると思いますが、

水分と糖質の補給を合わせて行うことを意識しましょう。

補給は全てのエイドで水分を

タイミングとして、基本的に全てのエイドで水分を摂るのがいいと考えます。

最初の5kmは、まだ喉も乾いていないかもしれませんが、体内の水分は確実に失われています。

最初の給水から必ず水分を補給してください

もちろん摂り過ぎて、おなかタポタポになったら大変ですが。

また1つのコツとして、エイドでは最初のテーブルではなく、

少し奥のテーブルから受け取るようにしましょう。

ランナーの多くは一番手前で水分を受け取ろうとするため、

一番最初のテーブルは、かなり混雑します。

少し奥に行くだけで、スムーズに受け取ることができるので、

あらかじめ少し奥のテーブルで水分を受け取るように走行ルートを調整しましょう。

初めての方、またはスピードより完走を目指す方であれば、

水分を携帯しながら走りましょう

後半になるとエイドまでの距離が永遠のように長く感じます。

そこで脱水症状が生じた場合は、おそらく完走はできなくなります。

脱水予防として少しずつ水分を摂取するために、

マイボトルを携帯して、常に少しずつ補給するのが有効です。

重荷にはなりますが、完走が目標であれば、

水分の携帯は、圧倒的に利点の方が多いと思います。

レース前の食事をどうするか

カーボローディング・ウォーターローディングという単語があります。

それぞれ炭水化物・水分を、レース前多く摂取する方法ですが、

細かな方法についてはさまざまな説があり、一定の見解が得られていません。

そこで、レース前の食事メニューの作り方の例を示します。

1月29日(金)1月30日(土)1月31日(日)
朝食おかゆ
味噌汁
卵焼き
鮭の塩焼き
サラダ
おかゆ
味噌汁
オムレツ
鮭の塩焼き
サラダ
どら焼き
おかゆ
パスタ
味噌汁
卵焼き
カステラ
昼食親子丼
うどん
豚肉つけそば
ととろご飯
大阪国際女子マラソン
夕食スープパスタ
ニョッキ
トマトサラダ
ご飯
味噌汁
鯛の煮付け
ちぢみ
サラダ
りんご

上記は、2016年大阪国際女子マラソンで優勝し、リオデジャネイロオリンピック出場を決めた時の福士加代子選手のレース前3日間の食事です。(澤野千春, 臨床スポーツ医学. 2016)

特別な種類のものを食べているわけでは無いですよね。

ただ炭水化物は、前々日の昼から1食2種類以上摂られているところは特徴的です。

これを1つの手本として、

いつもの食事に少し炭水化物を多めに設定するのがいいでしょう。

また、前日はアルコールは控えましょう

肝臓への負荷は当日の栄養分解吸収に影響があります。

当日の朝はスタート3時間前までに食事を食べましょう

栄養として吸収するには、このくらいの時間を必要とします。

ただ、ゴールタイムが5〜6時間目標の方だと、途中でエネルギーが枯渇する可能性があるため、

スタート前にゼリー飲料などを追加するのがおすすめです。

ゴール後の補給も忘れずに

ついにゴール!お疲れ様でした。

その時の感動は、なにものにも代えることはできません。

ただ、満足感のあまり、忘れていけないのが使い切った栄養の補給です。

水分、糖質、そして消耗した筋肉を再構成するためのタンパク質です。

パーっとお酒を飲みたい気持ちになると思いますが、控えめに。

そしてゆっくり休んでくださいね。

おわりに

マラソンレース前・当日の栄養補給について説明しました。

楽しく走りきれるよう、計画的にレース準備をしてくださいね。