運動

つらい肩こりを解消するために

にゃんちゃん
にゃんちゃん
肩こりがひどくてなんもする気になれないの。治らないのかなー。
雪丸くん
雪丸くん
肩こりって辛いよね。肩がこるメカニズムを理解して、こらない身体に変えよう。

肩こりとは?

肩こりは,

『頚より肩甲部にかけての筋緊張(こり感),重圧感および鈍痛などを総称』

と、定義されています。(高岸憲二ら. 日整会誌.2008)

そして、

『種々の要因によって筋の持続的収縮が生じ、

筋繊維内の血管が圧迫されて、血液量の低下を引き起こした結果生じる状態

と考えられています。

種々の要因、ということで、

1つの病気とは、ちょっと違います。

肩こりに多くの人が悩んでいる

平成28年国民生活基礎調査では、

病気やけが等で自覚症状のある人(有訴者)の中で、

肩こりがある人が男性で2位女性は1位でした。

その理由として、

頚椎(首の骨)は20%が骨および靭帯で、

80%が筋肉によって支えられています(Panjabi MM., et al. Clin Biomech. 1998)

それだけ首〜肩の筋肉は、全身の筋肉の中でも、

負担を強いられるため、非常に「こり」を起こしやすいと考えられています。

また、肩こりの有訴者が多い背景には,

現在のデジタル化された生活による、不良姿勢眼精疲労も大きな原因です。

今この記事を読んでいる時の、

あなたの姿勢はどうでしょうか??

精神的なストレスも、肩こりの原因になると考えられています。

マッサージでは筋力低下は改善できない

肩こりのためマッサージに行った場合、一時的に痛みが取れても、

時間が経つと、ぶり返しませんか?

また、肩こりで病院を受診したら、

「一度ですっきり治って再発したことがない!」

…なんて人はいないと思います。

マッサージや薬(内服薬、外用薬含む)は、

一時的な症状の緩和には有効です。

ただし、根本的な原因の改善にはなりません。

マッサージや薬で筋力を改善させることはできないからです。

これは腰痛にも同じことが言えます。

先ほども述べたように、頚椎は多くの筋肉で支えられています。

その支える筋肉の筋力低下(それに伴う不良姿勢)が元にあるため、

根本的な改善には、その筋力低下を改善させなければなりません。

筋力改善のためには筋肉を、自分自身で動かす必要があります

マッサージや、ストレッチを人にやってもらうだけでは足りないのです。

筋肉は、筋収縮が生じることで(自分の力で筋肉が動いて)、

はじめて筋力改善につながります。

ここで筋力改善というと、

「筋肉モリモリになりたくない」と言われることがあります。

姿勢を支える筋肉(いわゆるインナーマッスル。姿勢保持筋、単関節筋、ローカル筋とも呼ばれる)は、

関節を大きく動かす筋肉(いわゆるアウターマッスル。上腕二頭筋や大腿四頭筋など)と異なって、

鍛えまくっても大きくするのが難しい筋肉なので、心配しないでください。

肩甲骨を動かす

肩こりは

筋の持続的収縮(筋緊張)が生じ、

血液量の低下を引き起こした結果生じる状態』です。

その緊張をほぐすために、ストレッチがいいのはすぐわかると思います。

ただし、ストレッチには大きくわけて

静的(スタティック)ストレッチ

動的(ダイナミック)ストレッチ』の2種類がありますが、

肩こりに有効なのは動的ストレッチです。

ストレッチがカラダに与えてくれるものストレッチの基礎知識と、効果を上げるために意識すべきことを、初心者に向けて分かりやすく解説しています。静的ストレッチと動的ストレッチの使い分けを、科学的根拠をもとに解説します。...

自分で動かしながら、筋肉にストレッチをかけていきますので、

筋肉に動的筋収縮を伴い、筋力改善にもつながります。

方法には様々ありますが、

私が診察で覚えてもらっている方法と、ほぼ同じ内容を、

元体操選手の田中理恵さんが、youtubeにアップされています。

ぜひ一緒にやってみてください!

必ず意識していただきたいのが、肩甲骨を動かすことです。

体操、ストレッチやってますよ、と言う方も、

肩関節(ここでは上腕骨と肩甲骨の間の肩甲上腕関節)は動かしているけれど、

肩こりに直結する筋肉が付着する肩甲骨が、全く動かせていないことがよくあります。

今の位置から、肩甲骨を少しだけ寄せて、下げてください

姿勢が良くなりませんか?

そこが本来、肩甲骨があるべき位置です。

ずっと維持するのが大変であれば、その周囲の筋力が低下している証拠です。

まずは気づいた時にその位置に戻すこと、そして肩甲骨を大きく動かす習慣を始めてみましょう。

つらい肩こりが解消できるはずです。

おわりに

肩甲骨を動かして、つらい肩こりを解消しましょう。

日々の生活も、もっと明るいものに変わると思います。