運動

ストレッチがカラダに与えてくれるもの

にゃんちゃん
にゃんちゃん
ストレッチ って、いいのはわかるけど、なんだか続けられないんだよね。
雪丸くん
雪丸くん
ただ気持ちいいで終わらないために、どうカラダにいいのか理解するのもいいかもね。

ストレッチとは?

ストレッチ stretch』は「伸ばす、広げる」の意味です。

ストレッチングとも呼ばれ、一般的に筋を伸ばす柔軟体操のことを表します。

ストレッチは、1970年代に柔軟性を高めるための運動として、

アメリカのボブ・アンダーソンにより開発されました。

ストレッチの効果として、

関節可動域(柔軟性)の改善
筋緊張の低下
疲労回復
血流増加
傷害予防
スポーツパフォーマンスの向上 etc…

があるとされます。

静的・動的ストレッチ

ストレッチは、大きく2種類に分けられます。

静的ストレッチ スタティックストレッチ static stretch

反動や動きを伴わず、持続的に関節や筋を伸ばしていく方法です。

一般的にストレッチというと静的ストレッチをイメージすると思います。

リラクゼーションや運動後のクールダウンに用いられることが多いです。

動的ストレッチ ダイナミックストレッチ dynamic stretch

大きな動きを伴うことで筋肉を伸ばし、関節可動域を広げます。


動的ストレッチは、相反性抑制(相反性神経支配)といって、

伸ばしたい筋肉(主伸長筋)の、反対側の筋肉(拮抗筋)を収縮させることで、

伸ばしたい筋肉は弛緩していくという体の作用を利用したストレッチです。

主にウォームアップとして用いられます。

ストレッチする時、意識する事

ストレッチングを行っている間は、自然な呼吸を続けます。

呼吸を止めると身体は緊張状態になり、筋肉が硬くなるため、

十分に筋を弛緩させることができなくなります。

また、呼吸を止めると、血圧が上がるなど、身体に負担がかかることがあります。

ストレッチ中は鼻と口を使って細く長く呼吸をしながら、

リラックスした状態で、気持ちよく筋肉や関節をストレッチしてください。

ストレッチしている筋、すなわち、伸ばしている筋を意識することで、

神経と筋肉の協調性が高まり、効果が上がります。

「今は〇〇を伸ばしている」とストレッチしている部位を意識することが大切です。

また、勢いや反動をつけないようにします。

筋肉は急激に伸ばされると、肉離れなどの傷害を防ぐために、

筋肉内の筋紡錘(きんぼうすい)という器官が働き、

反射的に筋を収縮させます。

特に静的ストレッチで、反動をつけながらストレッチを行うと、

筋紡錘の働きにより、反対に筋肉が収縮してしまいます。

反動をつけることで柔軟性が低くなってしまうんです。

ストレッチの科学

運動パフォーマンスを上げたい方に、

現在わかっているストレッチの科学的根拠(Behm DG, 2011. 市橋, 2014)をお伝えします。

詳細はリンクの論文を詳しく読んでみてください。

簡単にまとめると、

・静的ストレッチでは筋力・パフォーマンスが低下することがある。

・静的/動的ストレッチともに関節可動域が改善する。

・動的ストレッチでは筋力・パフォーマンスが向上することがある。

・障害予防効果は不明。

・遅発性筋痛(いわゆる筋肉痛)を防止できるかは不明。

以上から、

ウォームアップでは動的ストレッチを、

クールダウン、リラクゼーションでは静的ストレッチが有効と考えられます。

不明、というのは科学的根拠(エビデンス)がないだけで、

『効かない』わけではないので、ご注意ください。

おわりに

ストレッチは、専門の器具もたくさん販売されていますが、

何もなくても・すぐ・どこでもできるのが最大の利点です。

毎日少しのスキマ時間に、

自分の身体と対話するように、気持ちいいストレッチをしてみてください。